〈覚えたのにすぐ忘れてしまう人〉効果を実感できるシンプルな暗記術
こんにちは、リサです。
受験生の敵、暗記。
生まれつき写真記憶を持っていない人(ほぼ全員)に向けた、有効かつシンプルな単語の暗記方法を紹介します。
受験生に限らず資格試験などの勉強をしている人の、「勉強してもすぐ忘れてしまう」という悩みを解決します。
単語暗記の大前提
言葉の本質
まずは「言葉」の定義。
「言葉とは」で検索してみました。
意味を表すため、口で言ったり字に書いたりしたもの。
Oxford Languages
と出てきました。
ここで大事なのは、「ことば」が意味を表すための物だということです。
では、「意味」とはどういうことか、「意味とは」で検索しました。
言葉(単語・用語など)が持っている概念のこと。言葉の意味、語の意味、語句の意味、用語の意味、言意、語意、語義などともいう。例えば、「雨」は、音声としては「ア」と「メ」が組み合わさっただけのものであるが、そこには「空から水滴が落ちてくる現象」「空から落ちてくる水滴自体」というような意味が備わっている。
Wikipediaより抜粋
全ての言葉が、何かを表しているのです。言葉は様々な品詞に分類されています。
名詞は、物事・事象を表すことばです。
動詞は、動作や状態を表すことばです
形容詞は、状態を表すことばです。
当たり前のようで、このことを完全に無視していると、単語は覚えられません。
言葉=イメージ
前節で、全ての言葉が、何かを表している、といいました。
世の中にある全ての物事が、すべての言語で一つの言葉で表せるとは限りません。
しかし、言葉は必ず頭の中でイメージすることができるのです。
このことは、ある言語で対応する言葉がないものをみてみるとわかりやすいです。
例えば、「木漏れ日」という日本語を意味する単語は、英語には存在しません。
したがって、辞書ではこのように苦し紛れに、「木漏れ日」という言葉の意味を説明するのです。
sunshine filtering through the leaves(of trees)
ジーニアス和英辞典
しかし、日本で育った日本語話者であれば、おそらく頭の中はこうでしょう、
したがって、言葉の本質を前提に単語を覚えるのなら、
アタマの中は、
ではなく、
であるべきです。
言葉のニュアンスや使われる状況など、さらに細かく覚えるのであれば、
となっているべきです。
プログラムのAI学習のようなイメージです。
脳で記憶する仕組み
3種類の記憶
- 感覚記憶…わずか数秒しか保持されない記憶
- 短期記憶…電話をかけるまでの間だけ覚えた電話番号
- 長期記憶…自分の家の場所(住所)
人間の脳は、感覚記憶で意味のある情報を選択し、短期記憶として保持します。そしてさらに海馬へ送ります。
脳の性質と記憶の仕組み(詳しい科学的な説明はここでは割愛)
情報は海馬へと送られたわけですが、ここで情報の選別が行われます。
海馬が重要だと認識した情報は、長期記憶として保持され、それ以外はすべてゴミ箱に捨てられます。つまり、重要な情報以外は忘れられるのです。
海馬が重要だと認識する情報は、主に2つ。
海馬が、何度も扱っている情報、と既存の知識(情報)と関連付けられた情報です。
同じ情報を何度もインプットしたり、短期記憶のうちに繰り返し思い出そうとすることで、海馬はその情報を何度も扱うことになるので、結果的に重要な情報だと認識され、長期記憶として保持されるのです。
これはある意味、人間のサバイバル本能です。
サバイブするために、本当に必要不可欠な情報に焦点を当て、それ以外は捨てる
⇒脳内では常時、情報の断捨離が行われているのです。
そして、驚くことに情報の断捨離のスピードはかなり速いです。
この図を見てください。
1日後に復習をするとなれば、26%の記憶から覚え直さなければならないのです。
したがって、私たちが暗記をする際には、脳の情報網から完全に消去される前に、繰り返し海馬に情報を渡す必要があります。
海馬は不要な情報をゴミ箱に捨てるといいました。当然、何もしなければ完全に消去されるでしょう。しかし、まだ完全に消去されたわけではありません。
iPhoneのごみ箱と似ていると思います。私たちは、不要になった写真をゴミ箱に移しています。しかし、その捨てられた写真は、しばらくゴミ箱(フォルダ)に残っていて、復元することもできますよね。
私たちの脳も同じです。
実際、勉強したばかりのことがすぐ出てこなくても、言われれば「あ~そうそう!」となることはよくありますよね。
このように完全には忘れていないこと(短期記憶)でも、その情報を繰り返し思い出したり(情報にアクセス、情報を扱う)することがなければ、それは完全に忘れられてしまうのです。
脳科学的根拠のある、有効な記憶術
記憶力が悪くて悩んでいる人は、脳自体の問題ではありません。
“脳の使い方”に問題があるのです。
これまで解説した脳の性質が利用できれば、あとは脳みそに任せるだけです。
ポイントは2つです。
とにかく何度も思い出す・インプットする
思い出す・インプットする、タイミングの間隔を狭くする
間隔を狭くすると、忘却量が減るため、
覚え直すのに要する時間と労力が最小限に抑えられます。
英単語帳の暗記実践例
私が単語帳で暗記をするときは、まず覚える範囲を決めます。
英単語長であれば、見開き1ページに10~15個の単語が並んでいるとすれば、見開き約5ページを範囲に指定します。
初めわからない・思い出せない単語は、各単語の一番大きな見出しの意味だけを確認し、頭の中でそのイメージを浮かべます。
やっていることはそれだけなんですが、一つの単語にかける時間は長くても3秒です。それ以上は、正直意味がないです。それより重要なのは、一つ一つを確認する時間を極力短くすることで、何度も触れることです。
仮にこの範囲に、10単語×5ページで、50単語あったとしましょう。覚えるのに与えられた時間は20分です。
一つの単語に3秒かけると、単純計算で8週できます。
【20単語/分、400単語/20分】
一つの単語に10秒かけると、単純計算で1.04週できます。
【6単語/分、120単語/20分】
どうでしょう、どう頑張っても1週ちょっとで覚えられる気はしませんよね。
一つの単語をじっくりと眺めていても長期記憶にはつながりません。
時間の無駄です。
確実の暗記したいのであれば、超高速回転で情報を扱う回数を増やしてください。
そして、単語暗記の大前提を忘れないでください。
言葉は何かを表しています。言葉=イメージで覚えるようにしましょう。
<ではまた今度、Salut!!>